映画『ネメシス』でTNGシリーズ15年の旅は終わったはずでしたが――
実は、小説という形で続編が数作出版されています。大半は未翻訳ですし、スタトレ世界では映像化された作品(アニメ除く)以外は正史とは認められていません。今後『ネメシス』以後の時代のドラマや映画が制作された場合、設定もなにもかも変わってしまう可能性があるのですが、それでも公式的なもので続編が描かれているとなると、気になってしまいます。
ひとことで言えば、データ少佐復活編。TOS映画からもじって『ミスター・データを探せ』というレビューをみかけまして、即決、洋書をダウンロード購入しました。ワタクシ、英語なんて本当にワカラナイんですけどね……。
2003年の映画で彼がお星様になってから9年後である2012年発行。しかもベストセラー?TNG、そしてデータ少佐がいかにファンに愛されているかがわかります。
物語は『ネメシス』から4年後の2384年。データ少佐が記憶を保存した同型アンドロイドB-4および、機能停止中の数体のドロイドがブリーン人に連れ去られるところからはじまります。犯人を追うエンタープライズEクルーがたどり着く惑星。そこで出会うアンドロイドのような人間のような謎の人物の回想という形で、彼のアンドロイド達の誕生からこれまでの経緯が語られます。
以下、私の無い英語力で読み取ったポイントをメモメモ……。
映像化、お願いしたい!
↓
〈!未翻訳書籍だから遠慮なくネタバレするよ!〉
(もし間違え箇所があれば教えていただけると嬉しい)
↓
【スン博士のアンドロイド達の誕生からこれまで】
(黄色い文字は私見)
物語の展開順ではなく、時系列順に並べ替えています
・前3体のアンドロイドの失敗に心を痛めるスン博士の妻ジュリアナ。彼女にばれないよう、よその星でこっそり作った試作品がB-4。
・好奇心旺盛なB-4を教育するものの、彼の欠陥に気づいた博士。「ちょっと修理するね~」ウソをついて機能停止。博士の留守中に盗難に会い、行方不明に。
・博士、オミクロンシータに帰り、ローアを完成。
起動して最初に両親に微笑むローア。ローアの性能の良さに喜ぶ博士。
・
いきなり賢すぎたのいけなかった? ローア、グレれる。住民からあんなの野放しにするなとクレーム殺到。(それ以前にデータの準備はしていた模様)
・住民と妻の反対にあい、データは感情無で起動。今度は0から教育。好奇心旺盛なデータをウキウキと教育するスン博士。
懲りない人である。
・ローア、完全にキレる。殺戮の水晶生命体召喚。スン博士、手に負えないローアをリモートコントロールで機能停止。
・ジュリアナ、データがローアのようになることを恐れる。博士に黙ってデータを強制初期化。夫婦喧嘩。
仲が良すぎる父子に嫉妬もあったんじゃないかとお母ちゃん的視点で思いました。
・失った初期の記憶を補う意味も込め、オミクロンシータの住民の記録をデータに移植。オミクロンシータ水晶生命体の襲撃を受ける。スン博士、オミクロンシータ脱出。ジュリアナ死去。
自分が元凶で危機が訪れているのをわかっていながら、自分だけ脱出するスン博士、ほんと酷いですね(-_-;)
(データが艦隊に発見される)
(その後もこっそりデータの情報収集とアンドロイド研究を続ける博士)
(TNGアンドロイドの裏切り ローアを再起動)
(TNGアンドロイドのめざめ ラル起動・機能停止
)
・TNG永遠の絆 キレたローアにブチ殺される……が、しかし!アンドロイドのボディを用意していたスン博士、復活。
(その後もデータのストーキン……情報収集とアンドロイド研究を続ける博士)
このあたりについてはょっとややこしくて私は完全には理解していません。
(TNGボーグ変質の謎 ローア機能停止
)
・実の息子だからローアの死は悲しい。でもあいつ手に負えないワルだもん、仕方ない。それはともかく、もし、データが感情を持ったら、ローアに引導を渡した件について深く心をいためるんじゃないか……末っ子の心配でたまらなくなるスン博士であった。
酷い。だが、ローアの被害にあった人たち(ボーグ含む)からしたらまっとうな考えだがいちいち目につく末っ子贔屓が。
(その後もデータのストーキン……情報収集とアンドロイド研究を続ける博士)
・データ、艦隊士官である他の科学者作ガイノイドと交際。死別。
驚きました。他の小説にあった出来事で、叛乱~ネメシスの間の事だそうです。アマチュアの同人誌展開並の大事件じゃあ。
(映画ネメシス データ、B-4に記憶痕跡をのこして星になる
)
(その後もB-4のストーキン……情報収集とアンドロイド研究に励む博士)
・B-4はブルースカイ歌う以外はやっぱりB-4なのであった。機能停止して、デイストローム研究所送りにされる。そのシーンは小説『Resistance』冒頭に描かれている。すごくかわいそう。
・B-4の解体調査を望む研究者が現れる。デイストローム研究所マドックス中佐、裁判でB-4の人権を認めさせる。
(小説ここからスタート)
・B-4にカスケード崩壊の兆候。原因がデータの記憶痕跡であることに気づいたマドックス大佐
(出世!)、記憶痕跡削除のためB-4を研究所へ。
・B-4および機能停止状態で保管されていたスン型アンドロイド数体(ラル、ローアほか)、何者かに盗まれる。
・アンドロイド奪還のため、ピカード艦長率いるエンタープライズE、発進!副長はウォーフ少佐。
・たどりついた惑星で謎の研究施設跡?発見。このあたりはネタバレしちゃうとつまらないから読んでね!
・ジョーディ、アンドロイドのような人間のような謎の人物に出会う。アンドロイドに意識を移したスン博士である。
(小説ではここから延々スン博士の回想)
・アクションあり、ホログラムネタあり、親と子の感動のシーンありでデータ復活!ラルを復旧するために、謎の科学者を探す旅にでる決意をするデータであった。(完)
で。
こんなラストですから、続きももちろんあります。
まだまだデータは活躍するのです。嬉しいですね。
しかし再生したのはB-4に記憶をダウンロードした時点でのデータのデータ(ややこしい)。『ネメシス』で殉職した彼とはまた別人な訳で……いろいろ思うところはあります。この方法を使えば、彼らはアンドロイドとして永遠に生きられます。もともとロボなんだからといえばそうなのですが~~うーん、引っかかりますが……。
2巻。データはある目的を果たすため、艦隊には戻りません。データ少佐とは呼べないのだ。実はこの巻はオリジナルキャラクターが多いせいかどうも感情移入がしづらく、ほとんど読んでいません。艦にもどらないけど表紙はピカード艦長。
64話『アンドロイドのめざめ』エピソードでの機能停止直前のシーンよりはじまる第3巻。最初の出だしから胸がいっぱいに……。だいたいデータが謎の博士を探す話なのだけど、表紙はウォーフ。なぜだ?
まだまだ新しいデータの活躍をみてみたい。そういう意味では大満足な小説続編シリーズです。復活後のデータとラルと、なんと、あのホログラム・モリアーティ教授(29話:ホログラムデッキの反逆者、138話:甦ったモリアーティ教授)のお話まで書かれています。彼はエンプラDと運命をともにはしていなかった模様。